婚活を始めようと思ったワケ。③
ある日私はいつものようにハローワークに行っていた。
その日は以前申し込んでいた、ハローワークの担当者の方と一対一の面談形式で行われる就職相談の初回の面談日だった。
面談は1時間以上に及んだ。思った以上に話を聞いてくれ、私に合う仕事は何か、私の話を聞きながら真剣に考えてくれた。
帰り道私は何故かボロボロ泣いた。
私のために懸命になってくれる担当者の方。暑い中自転車で駆け付けてくれた市役所の方。
こんなに人のために一生懸命な人がいるというのに私ときたら何なのだろう。
いつまでたっても、何物にもなれない。
子供に確かな未来を用意してあげることも出来ない。
良く分からない涙が溢れ止まらない。
そのままへなへなと公園のベンチに座り込んだ。
暑い中、機械に乗って走りまわりながら、公園の芝生を刈っているおじいちゃんをずっと眺めていた。
…おじいちゃんが頑張っている。
私は頑張っていない。
また泣けてくる。
家に帰れば夏休み中の子供が待っている。このままの状態では帰れない。
気持ちを落ち着けなければ。
……誰かに連絡しよう。
私はアプリを起動しKのメッセージ画面を開いた。
「泣いた」
「情緒不安定」
名前も知らない男に気持ちを吐き出した。
この人ならどう思われても構わない。どうせ会う事もない。
Kがちょうど良かった。
Kだって何の仕事か知らないが仕事中であるので返事は来ないだろうと思った。
が、予想外に返事はすぐに来た。
「どうしたの?」
「大丈夫?」
「ライン送っとくから」
とラインのIDが添えられていた。
いつものように(笑)は付いていなかった。
一瞬巧みなライン誘導かと思ったが、すぐに連絡をくれたことが嬉しかった。まさか
「無職でへこんでます。」とは言えないのでしばらく経ってから
「もう大丈夫。頑張ります。ありがとう。」
と送った。
すぐにKから
「頑張ったらいかん、マイペース。」
と返信が来た。
その日の夜Kからメッセージがきた。
「今日はキモいメッセージしてごめんなさい。」と言うと、
Kは
「キモくないよ。弱い時は誰だってあるし。気にしたらいかんよ。」
「それに弱い時に連絡くれてちょっと嬉しかった。」
「まぁ知り合ったのも何かの縁だから。これからもよろしく。」
と来た。この時も(笑)は付いていなかった。
8年間恋愛をしておらず耐性がなく、弱った精神状態の私は、このメッセージだけで充分にKに心を動かされたのであった。
それからもしばらくアプリ内で他愛もないやりとりが続いた。
今度は私からKにLINEを聞いた。
LINEに表示された初めて知るKのフルネームの本名。
一気に空想の世界の出来事が現実世界に入ってきたような気がして、嬉しいような怖いような複雑な気分だった。
この時にはもう完全に好きになっていた。
でも実際に会うなんて勇気はまだまだなかった。
kは激務のようで、「ご飯行こう」と言ってきたことはあったが、詳しい日時を決めようとはしなかったので内心ほっとしていた。
以降実際にKと会うまでの事や、会ったときの事はこれからUPする日記に詳細を載せていきます。
今現在は就職は決まっております(>_<)