婚活を始めようと思ったワケ。②
それからは毎日ハローワークに通う日々。すぐに次の仕事を見つけるつもりだったが、中々思うように自分がしたい仕事がみつけられずただ時間だけが過ぎてゆく。だんだんと焦りが募る。
すっかり時間に余裕ができ昼間にスーパーに買い物などに行くも、入口に置いてあるタウンワークが目につく。目を逸らすことも多かった。
次は一体どうしよう。
ふとTさんに言われた「結婚」の二文字が頭に浮かぶ。
いやいや仕事が先だろ、と思いながらも私は婚活パーティーの情報を検索していた。
婚活パーティーの参加条件をみる。
・男性:収入○○以上、
・身長○○㎝以上
・大卒or正社員orスーツを着たお仕事の方限定
etc…
バカらしい、と思った。
行く気はしなかった。
結局「婚活」というキーワードで色々と検索して辿り着いたのは、日々婚活に奮闘する女性達の書いた「婚活ブログ」である。
彼女たちがどのように婚活をしているのかその様子が詳細に書かれており、普通に読み物として面白いと思ったし、とても参考になった。
彼女たちは婚活パーティー、異業種交流会、マッチングアプリ、結婚相談所、合コンなどなど、出会いのために色んな手段を使い努力していた。
私よりも若く、もちろん子供などいない独身の女性だ。
そのような人たちが必死に努力して出会いを求めているというのに、私のような特にモテもしない、アラサーシングルマザーが何の努力もせずこれまで通りの生活をしたって出会いなどあるはずがない。
私も一念発起して行動を起こそうと思った。
年齢的にも始めるなら今しかない。
そこで私が目を付けたのがマッチングアプリである。これなら気軽に始められるかもしれない。何もすぐに誰かと会う事もないだろう。
私は小心者であるためこれまで出会い系等といったものには手を出したことはなかったが、色々と調べて1番有名なアプリに登録した。
登録の際に身分証明書が必要であったため、少しは安心できるものなのかな、と思った。
プロフィールを書かなければいけなかったが、もちろん無職であることなど書けるはずもない。
職業は事務員とした。
最近まで事務員であったし、これからまたすぐ事務員であるかは分からないが仕事は決めるので、まぁいいだろうと自分を正当化した。
登録したその日にメッセージがどんどん来た。最初は上のほうに自分が表示される仕組みになっているのだろう。プロフィール写真もスマホに内蔵されている意味不明な花びらの写真しか載せてないというのに、次から次へとくるメッセージに怯んだ。
だが8年間一切異性と関わりを持たなかった私は、怖いと思いながらも久しぶりの異性とのやりとりに新鮮さを感じ、いつのまにかやりとりをするうちに楽しいと感じていた。
初日にたくさんメッセージがきたが結局すべて返すことができなくなったり、相手から返事が返ってこなくなったりして、しばらくするとやりとりをするのは決まった3人ほどになった。
結論から先に言うと私はこの中のバツイチ40代前半のKという人物を会う前から好きになった。そして実際に会った。
Kは初日にたくさんメッセージがきた内の一人で、メッセージの仕方が明らかに他の人と違っていた。
自己紹介などは一切なく、「よろしくー(笑)」となぜか(笑)を付けて送って来たのみだった。
そしていきなり「ラインできる?」と聞いてきた。
この人はないな…と思った。率直に「何かチャラいですね。笑」と送ってやった。
Kからは1日おきとかに仕事が終わったと思われる夜9時前後にメッセージが来た。
「つかれたー(笑)」とか
「飯何食おう(笑)」
とかどうでもよいつぶやきのようなものが多かった。
他の人の様に「趣味は何ですか?」といったようなやりとりは一切ない。
どの辺に住んでいるのか、何の仕事をしているのかも言わない。
私も大して興味はないので聞きもせず、適当に返事をしていた。
次回に分けます。